
「慢性的な痒み」に悩まされていませんか。特に原因不明の痒みは気をつけなかればなりません。痒みの原因については様々なものが挙げられます。通常皮疹がさほどなく(目立ったものが湿疹ぐらい)、とにかく痒い時は以下のものを考えます。
箇条書きにすると以下のような原因が考えられます。
①物理的要因 (皮脂欠乏症や下着による擦れ、慢性湿疹など)
②腎機能低下、肝機能障害、透析、糖尿病
③悪性腫瘍
④水疱性類天疱瘡などの自己免疫疾患
⑤様々なアレルギー(薬剤、食事)
⑥膠原病
⑦薬剤、食事
その中で血液検査で簡単にわかるものに「水疱性類天疱瘡」と腎機能低下、肝機能障害、糖尿病があります。
当院ではこれらの原因を丁寧に調べることが可能です。悪性腫瘍に関しては外部機関にお願いして全身のCTを撮像したり、内視鏡検査をお願いすることになります。
⑦の薬剤、食事が原因である場合は原因究明に長くかかります。一度経験させていただいたのが、①〜⑥の疾患全てスクリーニングを施行しても原因がわからず、薬剤も痒みの発症から3年前まで振り返っても新規薬剤の開始がなく、結局食事ノートを2年ほどつけていただいた患者様がいました。2年後に食事ノートを患者様と拝見していて「みりん」を使用した時だけ、痒みが出現することがわかりました。その方は、みりんを除去することで痒みは改善しました。このように一筋縄ではいかないこともありますが、粘っていくといつか原因が明らかになることがあるという貴重な経験をさせていただきました。
気になることがございましたら、ご相談ください。