皮膚生検・病理検査

「病理検査」(びょうりけんさ)とういう言葉は私が医学部に入るまでは父が時々口にする謎の言葉、「ビョウリケンサ」でした。

見た目に特徴があり、すぐ診断がつく疾患は良いのですが、中には全く同じ見た目で異なる病気というのが存在しており、肉眼で見るだけでは診断できないものがあります。

そのような疾患の中にリスクの高い疾患がある場合「皮膚生検」(ひふせいけん)を行い「病理検査」をします。

あたらしい皮膚科学 第3版

端的にいうと患者様の組織を一部採取し、ホルマリンで固定(生命活動を停止)し、豆腐のように柔らかい組織は薄くスライスすることができないのでパラフィン(蝋燭のロウのようなもの)で固めて、3-4μm(1μmは1mmの1/1000)の薄さにします。

透明な薄層切片は顕微鏡で見えませんのでヘマトキシリンエオジンと呼ばれる染色液で染めてプレパラートに貼り付けて完成です。

あたらしい皮膚科学 第3版より

皮膚科ではパンチと呼ばれる円形のメスで切り取るか、手術用のメスで切り取ります。層状に見える組織は病気により特徴的な所見を示し、確定診断を得られることがあります。

当院でも長年通常の軟膏治療に反応しない疾患などは皮膚生検を施行し「原因を追求する」ことをお勧めします。

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