ご挨拶

当院の理念 「痒い、痛い、赤い、腫れたを治す」

 私の父は「清原龍内科」を川口町で開業しており、私は父の病院の近所の浜口町に2025年4月、皮膚科医院を開業いたしました。

 医師になる前は、薬学部を卒業し、再受験を経て医学部に入学。長崎大学皮膚科・アレルギー科に入局し、原爆病院や川棚医療センターで勤務した後、再び大学病院に戻り、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得しました。

 神経内科的疾患の患者様の多い、川棚医療センターで四肢の麻痺がある患者様がおられ、(アトピー性皮膚炎は痒みと掻破の繰り返しとよく言われますが)患者様本人による掻破の刺激が加わっていないアトピー性皮膚炎、本来の皮疹の姿を見る機会を与えていただきました。そこで、アトピー性皮膚炎の皮疹の成り立ちはこういうメカニズムなのではないかと、深く考察する機会を得ました。その成果として、『Clinical Course of Atopic Dermatitis in an Adult with Amyotrophic Lateral Sclerosis: Aetiological Implications of Voluntary Movements and Dermatitis Severity』などの論文を執筆しました。

 幼少期から機械の分解や組み立てが好きで、エンジンの仕組みを理解するために近所のバイク屋さんで不要になったエンジンを譲り受け、分解し、組み立て、構造を理解しました。中高生の頃は、当時のMS-DOSに比べ格段に操作性が良くなったMacintoshのひみつはどこから来ているのかと、コマンド操作やターミナルを夢中になって解読し、創業者が少ないリソースで創意工夫を凝らし素晴らしいものを作る、所謂、「ガレージスタートアップ」を肌で感じ感動していました。

昔から、物事の仕組みを理解しそこにストーリーを見出す事が好きでした。

 医師になっても変わらず、「目の前に見えている皮疹はなぜそう見えるのか」「今、皮膚で何が起こっているのか」という疑問を持ち続けストーリーを追い求めています。

「科学的・理論的に原因を探求する」ことが病因解明の鍵であり、最良の治療につながると考えています。

 一方、治療がうまく行ったかどうかという指標についても、簡便でわかりやすい、しかし、患者様の状況をよく表している指標が必要です。川棚医療センターでの診療の経験から、当院では凍創(しもやけ)と蜂窩織炎(ほうかしきえん)という病気に関して、より鋭敏で簡便な指標を開発中です。

 治療に関して、当院は専属の薬剤師がおり、一般的な治療でうまくコントロールするのが難しい患者様に対して、それぞれの患者様にあった独自の軟膏調剤を行うことができます。私は「最新の治療」と「昔ながらの治療」との合わせ技が重要ではないかと考えております。

 最後に、とはいえ「治療」がうまくいくかどうか、痒い、痛い、赤い、腫れたを治す」とは患者様が病気、治療に対してどうお考えなのかを知ることに尽きると思われます。

 結局のところ医療には「愛情」が必要であると痛感しています。例えば、自分が同じ病気であったらどういう治療を選ぶか、また、目上の患者様であれば自分の両親が同じ病気になった時はどうアドバイスするのか、幼い子供さんの患者様には自分の子供だったらと、決して他人事ではない、真の意味で親身になることに尽きると考えています。

 さて、当院は2025年4月1日に発し、現状では如何ともし難い状況の患者様に対して「理論的思考」「愛情」を持って、解決策の糸口を考え続けていく医院を目指しております。どうか、今後ともよろしくお願い申し上げます。短いですが、ご挨拶とさせていただければと思います。

清原龍皮ふ科 医院長 清原龍士 拝

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