巻き爪By 清原龍皮ふ科 / 4月 4, 2025 日皮会誌:134(4),711-721,2024(令和 6) 「陥入爪」という言葉がありますが、巻き爪とは少し違います。「巻き爪」は爪の側縁が側爪郭(爪の左右の肉)に食い込み食い込んだ状態を指します。この時「爪棘」(爪の端がギザギザ)があったらこ側爪郭が肉芽と呼ばれる組織に盛り上がってしまい「陥入爪」を合併することがあります。靴による圧迫や深爪が原因となり親趾に好発するものをPincer nailと言います。そのほかに薬剤(多いのが抗がん剤)が原因で創傷治癒遅延を起こし同様の症状となることがあります。 新しい皮膚科 第3版 治療としては肉芽組織を凍結療法やステロイド軟膏を用いて除去する方法、陥入した爪を元に戻すためのクリップやワイヤリング、程度が著しい場合や爪棘(側部の爪の生え際の尖ったところ)などを認める場合はいわゆる「陥入爪」に至っている可能性があり、手術やアクリルガター法などを施行する必要があります。クリップやワイヤーを行うと一時的には良いのですが、原因が靴による圧迫や、膝関節炎などによる荷重の変化である場合、再発する可能性が高いです。元の原因を取り除いてあげる必要があります。 マルホHPより 評価ですが、少々複雑です。図に示しておりますが、後爪郭部(爪の根本)の長さと爪甲遠位(爪の先っぽ)の長さで表します。これでどれくらい良くなったのか変化を見ることができます。悩んでいる患者様がおられたらご相談ください。